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人事哲学入門

今、多くの企業の人事部に決定的に欠けているのが独自の人事哲学と人事思想と科学的技術です。 "輸入物"の人事思想や制度の導入に躍起になり、上っ面の潮流に翻弄されていては、人事部は"只の管理部門"になり下がってしまいます。現在の『人事部』および人事に関わる方々にとって、"人事"こそが、明日の企業経営を左右する一大事である事を認識して頂くため、描き下ろしの連載をはじめます。

第3回:哲学と思想、そして理念

2015年02月20日

前回よりつづく

小林: 言葉が違えば、本質的には意味も概念も違います。そもそも漢字も違うでしょう。漢字は、元々は『観字』で、表意文字ですからね。

『思想』は、「論理的で体系的な、概念に対して一貫性と互換性のある纏まった『個人』の考え方」と理解しておくと良いでしょう。勿論、個人が拡大している場合もありますが、特定の誰かが提示した考え方です。ですから、ある思想に対して、その支持者の多い少ないは別にして、ある意味で偏りながら纏まった考え方ですから、“不条理”という場合もあるし、時代の変化についていけない場合や、特定の部分だけが独り歩きして、“**主義”なんて表現されています。例えば、政治思想、経済思想、中華思想、イスラム思想、左翼思想や右翼思想、仏教思想、キリスト教思想などなどのような纏まり方もありますね。つまり、誤解を恐れずに言い切ってしまえば、最終的には『個人固有の体系的な考え方』です。

なお、その纏まりに辿り着くまでの過程を一般的には「哲学した」と表現しても差し支えないでしょう。また、『理念』という言葉も人事ではしばしば使われていますね。この理念は、哲学している過程で、ある程度纏まった行動の根拠とする考え方であり、多くの場合は目的に対して『すべき事』と『せざるべき事』として言明されています。『経営理念、人事理念などという言い方がされていますが、謂わば『行動の根拠や制限』として理解されています。

つまり、『哲学』は「問い掛け、答えを提案することで、物事の本質(根底にあるもの)に論理的で体系的な考え方であり、『思想』は哲学した結果、『理念』は行動と直結した思想の断片だということです。

山田: なるほど。しかし、解ったようで解らない、というのが本音です。

小林: まあ、それで良いのです。それが大半の方の本音でしょう。哲学は科学と異なり、『物事』の原理原則というより、根底にある本質を探究する訳ですから、探求の過程に『物証』はなく、論証だけですから、難解といえば難解です。物証のように観えないんですから。しかし、如何に難しい事であろうと、『哲学無き行動』は、根の無い草木と同じで、息吹を感じないし、新たな概念の萌芽にも繋がりません。
まあ、お忙しい方なので、このような話は徐々に深めることにして、今日のところは“ザックリ”にしておきましょう。

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