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教え上手 教わり上手

連載終了

企業が持続し世代交代がなされる中、実施され続けるOJT、すなわち"手ほどき"は、組織の底力を支えている重要な行為です。しかしながら「教える側」と「教わる側」の合理性は異なるのが大前提で利害対立が生じるのか、相乗効果を生むのかは、双方の個性が影響し合う特殊な人間関係に委ねられています。
そこで本連載では、組織の生産性を高め、企業を成長に導くOJTを実践していただきたく、職場に於ける"手ほどき"の方法論について解説します。

最終回: OJTが会社を長持ちさせる

2014年10月21日

●近い将来、人間は仕事、作業はロボットになるが、それまではOJTが組織文化の伝承を担う

これまで六回を、作業手順の後進への手解き、即ち作業時間内訓練(OJT)の重要性について述べてきました。勿論、人間と人間との遣り取りです。そして、それが表面的な役割を超えて、多くの企業で問題になっている“組織文化(俗称:組織のDNA)の伝承に、意図する・しないとは関わりなく大きく力になっている事を述べてきました。その表現が、OJTの専門家と称する方々とは異なる観点を提示し、OJTの表面的な目的と、当事者同士の人間関係、人間学的な力学の問題として、俗に“組織のDNA”と呼ばれている組織文化の消極的伝承が行われている事を指摘してきたつもりです。 OJTに於ける『教え上手・教わり上手』とは、単に先人が後進に作業の手解きを作業時間内にするという目的を超え、世代を超えて組織文化を伝承させている仕組みであるが故に、その当事者には異なる観点を与えて実施する事により、効率と効果の向上に役立つ技量であり、OJTの組合せが重要であり、単純に技能の伝承という積極的であるが表面的な目的にのみ注視するのではなく、組織のDNAを伝承する無二の機会と捉え、管理者サイドは、OJTの組合せに細心の注意を払うように提言してきたのです。

つまり、組織の管理者、技能の所有者、技能の継承者の観点は異なりつつも、実態は『組織のDNAは“伝わってしまう”という事であり、その実態を積極的に活用するためには、組織成員の技能の把握とともに、当事者の個性(個別的特性)の把握や意識レベルを踏まえた“師弟関係の組合せ”が重要であると述べてもきました。

言い換えると、『教え上手・教わり上手』とは、個々人の技能の問題である事と言うより、組合せにより生じる結果だということなのです。

そして、それは『意識的に伝える』という積極的観点を超えて『無意識に伝わってしまう』という部分に着目すべきであり、組織の管理者は、『教え上手・教わり上手』という結果は、結局は個人の技量問題ではなく、管理者により“先人と後進の組合せ”こそが、OJTという主段を通じての技能の伝承に消極的に加わっている『組織のDNAの伝承』を担ってしまっているという消極的事実により強い関心を持つべきだと述べてきたつもりなのです。

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